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Netflixオリジナル映画『シカゴ7裁判』 映画感想

スノーピアサー

シカゴ7裁判 予告編

実話の実際にあった裁判を基にした映画です。

個人的には今年ベスト3に入るくらいオススメの映画です

引用:Netflix Japan Youtube公式

シカゴ7裁判 あらすじ

時代は1968年、ビートルズやヒッピーの時代。

政府はベトナム戦争を始め、多数のアメリカ兵の死者を出していた。

それに反抗して、シカゴで平和的に行われるはずだったベトナム戦争反戦のデモ。

しかしシカゴの公園に集まった平和的グループが次第に暴徒化していき、警察が出動する事態に。

その1ヶ月後、司法庁長官を継いだ人物が暴徒化したグループのそれぞれのリーダーの7人+1人の8人を逮捕、起訴し裁判にかける。

これはいわゆる政治に背こうとする者を集め、無理やり有罪に持っていき反対勢力を一掃しようと言う仕組まれた政治裁判のようなものだった。

本来はそのデモでは警察が先に手を出したのでデモが暴徒化したのではないかという経緯もあり、弁護士、裁判官、検察側もその被告人7人の中で調査を始めていき、事件の真相が明かされていく。

無理やり有罪に持っていかせようとする裁判の空気に呑まれずに100日以上に渡って公判を続けていく被告人となったデモの若きリーダーの7人+ 1人がどのように裁判を渡っていくのかが見所です。

感想

テーマは民主主義の中での言論の自由はどこまでか、共謀罪の境界線、言葉や法律の解釈の仕方だと思いました

共謀した、しないの境目って誰にもわかりませんよね

政府など大きな機関が、反政府の言論者たちが集まっている集会に向かっておい、共謀しただろう逮捕するぞと言うことが言えるかもと言うことです

もう中国共産党の大量監視のやり方だったり、アニメ作品のサイコパスの世界で犯罪指数がなんちゃらみたいなことでしか共謀の原因は追えないのかもしれません

そしてその世界は多分良くない世界、、、

現実で言うとよくメディアが事件を切り取って放映しているなどと言われますが、その事象が一番深刻に表面化するのが裁判なのではないでしょうか

法の解釈、言葉の解釈、証拠音声の解釈などそれぞれの立場、情報の持ち方によって解釈がばらついてしまいます

この映画はアメリカ史上最大の政治裁判じゃないかと言われるほど極端な例だと思いますが、裁判の中でも裁判官や検察がどちらかに肩入れしている場合とても理不尽な結果になってしまう可能性もあるんだなぁとしみじみ感じる映画でした

また反戦派の中でもいろいろな思想の人種がいて、いわゆる白人高学歴エリートが選挙に勝つかのように理論的に反戦を掲げるスタイル、ヒッピーのようなスタイルで公園で音楽をして反戦を訴えるスタイル、黒人差別の文脈で反戦を掲げるスタイル、、、など反戦派も全然一つにまとまっておらず、その中の議論やゴタゴタ感も面白いです。

7人+ 1人は反戦のリーダーになっているだけあり、それぞれいろいろな知識やタレント性がすごくストリートスマートとはこのことかと思わせられるシーンが多くありました

音楽や本の一節の引用で会話しあったりする

あと裁判映画なのに被告人がハニートラップに引っ掛かり騙されるところもあったりユーモアもありました笑

戦争は仕方ないんだから、国のやることを妨害するなと言う大人と、戦争はよくない!と拒否する純粋な若者との構図が見えてきます

その中でも立場は大人側にいますが、反戦を支持したい大人などもいたり、それでも大人側にい続けたりする葛藤が見えたり、、、

最後に出した聖書の引用について、あれはアメリカ人だからこそ誰もが持っていた社会通念(聖書の知識)を基に訴えかけた内容があったんですが、これ無宗教の日本人だったらどうなんだろうと思いました

形骸化した神話が果たすはずだった役割は日本にはなく、これからその社会通念を保存する作業は作家やアーティストが担うのかも、、、と思った場面でした

認識を整理するという行為、村上隆もやっているような現代のオタクの整理みたいことは意味ないと思っていましたが意外と重要なことなのかも

監督は、映画「スティーブ・ジョブズ」や『ソーシャル・ネットワーク』などIT系実話を基にしたストーリーで数々の脚本賞など評価が高いアーロン・ソーキン監督です

半分ドキュメンタリー、半分脚色の映画は監督の捉え方、料理次第で面白くなるのもあるしクソつまんない映画の差がすごいと思うので腕がいい監督だなぁと思います

悪役のウザさが最高潮になっていくところや最後いろんな人の立場が覆されていくのも面白かったし、キャラクターの思惑少なめでどんどんシーンが変わっていくのが疾走感があって良かったです

外国人7人の裁判となると、日本人だと外国人の名前と顔が一致せず、みためや風景も法廷で変わらず、誰が誰のことを言っているのかさっぱりわからんと言う事態になると思いますが、それぞれビジュアルにも個性が出てて日本人が見ても楽しめる映画だと思います

おすすめです

おわり