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『白いしるし』(新潮文庫) 西加奈子 著 読了感想

『白いしるし』(新潮文庫) 概要

32歳の絵描きの恋愛小説

絵描きが絵描きに恋をする話

直木賞を取ったらしい

ラジオでオードリーと絡んでいる西加奈子さんを知っててそれがちょっと邪魔だった

いいんだけど声優の素顔を知っているアニメを観ているような感覚

全体的に比喩がうまかった

まるで〜みたいだという使い方がうまくて

思わず電車で読みながらぺージに折り目をつけてました

一番よかったのが

失恋しまくる主人公を描写するときの文章

”私の人生は失恋の歴史であった。

青い髪の人に始まり、カメラマン、ミュージシャン、劇団員。彼らは皆、容赦無く私の前から姿を消し、そしてすぐさま、新しい恋にいそしんだ。

彼らの変わり身の早さに、いつも驚嘆した。

私は、肉眼で捉えられないほどの速攻カウンターを受けた、老齢のボクサーのようだった。”

っていうところ

なかなか無い発想

ユーモアが効いてて面白い

あともうひとつは

登場する女性がとある男性を懐古したとき

”「彼は、水みたいでした。こちらが思う通りに動きました。会いたいといえば会ってくれたし、助けて欲しいといえば助けてくれた。

だからと行って与しやすいのとは違いました。まったく。水の中に手を入れれば、その形に添うし、斜めにすれば、さあっと流れていくけれど、

水の中では決して息が出来ない。

彼といると、彼を自由に出来る分、私は不自由でした。ずっと。」”

水のような人とは良くいうけど水の中で決して息が出来ないというところまで書くのが

すごくいい表現

文章にも色々工夫が会って

句読点を打ったり、

文字を開いたり閉じたりするのも独特で感性を西加奈子さんの雰囲気、呼吸、彼女に流れる時が醸しだされている感じがしました

内容について

内容は絵描きが恋愛する話です

自分ももともと絵を描くのが好きで

共感できる内容があるかなぁと思ったけど

実はそんなに無くて

自分は絵に対して心をそこまで動かしていない気がしました

絵を描いている時は必死で美しさを模索しているけど

色に対して何か思うこととか、ストロークに対して、テクスチャに対して思うことはあまり無かった

あの人の絵が死ぬほど好きなんだと思ったことはある

この本は裏に何か途方もない自分の器を大きく凌駕するものと相対したとき、

果たして自分はどうなるんだろうか?というテーマがあって

自分はどうなるだろうと考えてました

絶望するほど届かない君の欠片を見つけたら

盗むのか、閉じ込めて増やすのか、守るのか、止まり続けるのか、泣き続けるか

自分が辛すぎて受け入れられなかったら

自分の記憶を徹底的に美化していくかもしれない

おわり