おすすめ香港映画『天使の涙』
とてもよかったです
映像に拘ってるなぁと思えるウォンカーウァイ監督の恋する惑星の次の作品です
1995年というと自分が生まれた年にかなり近いので、
1995の香港の空気感を感じられてよかったです
1995年あたりの東京映画も観たいなと思います
北野武監督のキッズリターンとか
側から見れば殺し屋、盲目の青年という不幸そうな立場にいる主人公が画面を通して政治思想や、社会思想を突きつけてこないというか、淡々と自分のできないことをわかって、やることをやり、時々楽しい日常の中で、世間話をするというような感覚があってよかったです
映画のスタイルとして
辛いけど頑張ろうみたいなことでもない
あの事件が起きたから解決しなきゃでもない
淡々と各々の人生が流れて、たまにイベントがあって、
それぞれ仕事があって、それぞれ少しずつずれていて、日常の中に楽しさを見出している感じでした
そもそも主人公が誰なのか分かりにくいというストーリーでした
天使の涙、、、つまり天使を悲しませる殺し屋ということだろうか?
それとも登場人物の女性が天使がメタファーなっているのか?
それすらも不透明で、どのシーンも場当たり的で、行き過ぎたり、考えたり、かっこいいシーンだったり、生と死の境を生きたりするようなシーンがあって、それでも思い返してみると人生だったという、必ずしも論理100%ではない、でもそれでいいという気の抜けた感じが好きでした
この監督の映画は説明なく、最後までユーモアとシリアスを駆け抜ける感じ
感動ストーリーを求めるのではなく、人物像を求めて映画を観て欲しいと思います
ファッションもあいみょんっぽいなとか、今っぽさがあるんですよね
髪型とかファッションスタイルが一周回る前の今って感じがします
そして音楽、映像美は必見です