#blender2.9 #Aftereffects #3DCG

『再生』石田衣良 読了感想

感想

正月からスマホ紛失ボーイだったので電車で読みました

石田衣良さんの小説は好きでだいたい読んでたんですが、

たまたまこれを読んでなかったので買ってみました

内容は色々な絶望を経て、人生の再生をしていくという人の物語がいくつか詰まった短編集です

石田衣良さんの書く小説は硬くない言い回しで社会的な問題に訴えることが多くて好きです

例えば、就職氷河期の人の話や、早期退職制度(リストラ)の話、アルツハイマーの話、、、

そういう難しい話を扱えるのも小説家としてすごいと思います

人物像を世代で区切っている感もなくて、ちゃんと一人のとある生活者というフォーカスを当てて小説にしているというのが

地に足がついててすっと入って来やすく

面白かったです

それと社会的な問題は往々にして

自分よりその周りに影響を与えることが多いんだと思いました

自分の苦悩というより近しい人に対する視点の苦悩が多く

自分ではどうにもならないと思いながらも、どう立ち振る舞うかというところで

そのときの主人公と主人公に関わる周りの人間性が出てるなと思いました

タイトルもセンスがあって

「ガラスの目」、「海に立つ人」、「ミツバチの羽音」、「銀のデート」など

読む前はわかりそうできになる、かつ読み終わったあとにいいタイトルだなと思えるタイトルでした

オススメなのでぜひ読んでみてください

絶望感に苛まれる登場人物たちですが

「希望という感情は絶望の後にしか現れない」というのもよく言われる話で

絶望は希望と紙一重なのかと思わせられます

個人的には絶望もなく獲ったものってそこまで価値を感じられずに

手放してしまったり優先順位を下げてしまったりということがありがちで

絶望があったからこそ頑張れる、そして希望に辿り着けると言うことがあります

例えば就活とか、

簡単に入れた会社だったし、適当にやって転職しようと思っていたら

目の前の仕事が全然身に入らなかったり、、、

なんども就活で落ちたからこそこの場所で絶対に這い上がるという

背水の陣のような硬い意思があったからこそ

頑張れる場合もあると思います

個人的には受験がそうで

大学入試のセンター試験、これで人生変わると思って準備してたんですが

50点分のとあるセクションを解き忘れるというありえないミスをして

絶望して

その後本試験に命掛けなきゃと死ぬほど頑張って

受かった記憶があります

あれがなかったら人生が変わってたかもしれないと思える事件でした

人生に絶望している人にオススメです

よかったら読んでみてください