監督/脚本はスティーブン・チョボスキー監督です
サム役が可愛い、パトリック役がかっこいい、主人公は名演技で、いい音楽にいい映像でした
映像美は、パラノイドパークのような感じを彷彿とさせました
ウォールフラワー=ダンスパーティで相手が居ないで壁に立っている人
ウォールフラワーの意味とは、壁の花、ダンスパーティで相手が居ないで壁に立っている人のことです
親友が自殺し、ふさぎ込んでいた主人公は高校に入学しますが憂鬱でたまらなく卒業までの日数を数える日々を送ります
まさにウォールフラワー、いわゆるスクールカーストは最底辺で友達もいない彼でしたが、成績は良く、相談が出来る教師はいました
ある日主人公が勇気を出してスクールカーストなんて関係ないというくらい自由に生きる兄妹コンビの友人に話しかけるとあっという間に世界が変わっていきます
クラブに行ったりパーティに行ったり、ドラッグを吸ったり、、、恋をしたり
その中で友達が負っている傷にも気づいていき、そして自分の心の傷と向き合い、未来に向かって歩けるようになります
ざっくり説明するとそんな青春映画です
なぜ人は間違った相手と恋をするのか
友達が出来た彼はとある女の子を好きになっていくのですが、その女の子はいい恋愛をすることが出来ない女の子でした
いわゆる悪い男を好きになるタイプです
主人公は、その女の子の過去を知って先生に聞きに行きます
その時の先生の答えがすごく名言でした
主人公「どうして優しいひとはひどい扱いをする人を選ぶんですか?」 先生「自分に見合うと思うからだ」
この言葉を聞いてまさにその通りだと思いました
人間は自分に見合う人を好きになる
いかに綺麗で可愛い女性でも自分に自信がなければ、クズな人間とも付き合えてしまう
逆に可愛いと言われ続けてきたからこそ、内面はクズだと言いたいという欲望もあるかもしれない
世界は鏡だと言った言葉はあながち間違いではないのかもと思いました
青春時代の10代の若者の自己肯定感の足りなさを表した名シーンです
青春の孤独と向き合えるか
個人的にもう1シーン、THE青春のシーンがあって
可愛い女の子サムが3年生、主人公が1年生という時に
サムが主人公の聴いている音楽の話を聴いて
「すごいね、私が1年生の時、全米ヒットチャートのランキング50を聴いてたよ、でもその後に〇〇というアーティストを聴いて、、、」
というシーンがあります
ここはすごい青春っぽいシーンだと思いました
青春時代はアイデンティティを見つけていく期間でもあり
友達の付き合いや、環境、好みによって
ロックに行くのかPOPに行くのかHIPHOPを聞くのかなど趣味嗜好が変わっていきます
サムは三年生なので今はもう自分の好きな音楽がわかっている
でも1年の頃はわからなかった
みんなと同じという全米ヒットチャートを聴いていたと話します
主人公はもう好きな音楽の系統が決まっていて、これだという音楽、本を知っています
それは孤独といかに過ごしてきたかということでもあります
音楽や映画とは極論、人の内面が形を変えただけだと思っているので
孤独を嫌がって近い所にいた人間と過ごすのか、自分と分かり合える人間は必ず遠くにいると思って本や映画を漁るのか
後者を選んできた主人公と、前者から後者に移り変わっていったサムとの対比が良いシーンだと思いました
完全にこいつの言ってることわかる!!!という感覚は多分、孤独を恐れては気づくことができないんだと思います
自分も近くのなんの脈絡も感動もない人とつるむなら、遠くに必ず共感できる人はいると信じて孤独と向き合っていたいという派です
そういう点で主人公に共感できました
弱さを出せる強さと、出さない強さ
陽気なパトリックという友達、そして人生に臆病になっている主人公
どちらもネガティブな感情を抱えていました
パトリックはゲイでありパートナーのことを秘密にしていること、主人公も親友が自殺し、幻覚を見ること
パトリックはゲイであることを公開しながら周りの人々と生きていき、かたや主人公は隠すことで生きていきます
パトリックは振り切れた強さがありますが、その分周りへ痛みを分け合うことができたり、色んなところから激しい悪態を叩かれたりします
主人公は息を潜めるように生きていて、痛みを分け合うことがなく孤独で、これ以上傷付きたくないという感情を持っています
二人の性格は真逆でしたが、お互いに自立心もあり、強く生きようとしていて表裏一体でもありました
その二人の対比を見ながら見ていっても面白いです
まとめ
THE・青春恋愛モノ映画でした
いい感じにシリアスで、いい感じにお茶目で、
そして脚本も俳優も名演でバランスが取れていて没頭できます
オススメです